こんにちは!
福田社会保険労務士事務所、代表の福田です!
本日は、過去にご相談があった事例について、ご覧の皆様にもお役立ていただくために、Q&Aをお届けしたいと思います。
ご相談内容はこちらです。
Q:従業員から、「出張のための移動時間は、通常の通勤よりも時間がかかるし、出張全体を業務と考えると残業として扱うべきなのではないか?」という問い合わせを受けており、回答に困っております。
移動時間が所定労働時間を超えた場合、時間外手当を支払う必要があるのでしょうか?
労働時間にならないんだし、時間外労働にはならないと思いますがどうですかねぇ?
ありますよねー。
労働の定義に立ち戻って
考えてみましょう!
A:出張は、会社の業務命令によって行われるものであり、移動する行為も広い意味では労働といえますが、移動時間中に実際に仕事をするわけではなく単なる移動である場合には、通常の労働時間と同様に取り扱わなくても問題ありませんし、時間外手当も支払う必要はありません。
同様の内容について、以下のような判例もあります。
出張の際の往復に要する時間は、労働者が日常の出勤に費やす時間と同一性質であると考えられるから、右所要時間は労働時間に算入されず、したがって時間外労働の問題は起こりえないと解するのが相当である。
日本工業検査事件(横浜地方裁判所 昭和49年1月26日決定)
ただし、業務外の時間に移動することは、従業員にとって通常の通勤以上の負担を強いることになりますので、その点を考慮した「出張手当」等を整備しておくと良いかと思います。
また、移動時間が単なる移動ではなく、例えば上司と同行して移動中もミーティングを行ったり、出張先の業務で使用する物品を持参し、それを監視しておく必要があるなどといった、業務が生じている場合には、労働時間として取り扱わなくてはなりません。
そのような時間が所定労働時間を超えて発生した場合には、時間外手当を支払う必要が出てきます。
ございましたら、お気軽に
お問い合わせくださいね!