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【労務手続】従業員が業務中や通勤中に怪我を負った場合の労災手続きとは?? ~Part①~

 

こんにちは!
福田社会保険労務士事務所、代表の福田です!

本日のテーマは、起きては欲しくないですが、労災が発生してしまった際に必要となる労務手続きにてついて解説したいと思います。

 

新人人事部 S郎
新人人事部 S郎
 
ホント起きてほしくないです。
でも万が一の時のためにも、
手続きを知っておきたいです。

 

 
そうですよね。
あってはならない事ですが、
万が一の時には迅速に対応が
できるよう、今のうちに
勉強しておきましょう!
社労士 福田
社労士 福田

 

そもそも労災保険とは、どんなものなのでしょうか?

労災保険とは、正式名称を労働者災害補償保険といい、労働者が仕事中もしくは通勤中に発生した病気・けが・障害・死亡に対して保険給付をおこない、必要な治療費や生活費を補償するものです。

そして、この「労災」の適用範囲は、企業に雇用されている全ての労働者になります。

また、労災は仕事中や通勤中に起きた怪我だけでなく、セクハラやパワハラによる精神疾患長時間労働による過労死にも適用される場合があります。

 

では、従業員が仕事中や通勤中に怪我を負ってしまった場合、企業としてはどう対応するのが正しいのでしょうか?

労災が発生した場合において、従業員自身が労災の申請手続きをするのが難しいような場合には、企業はその手続きに対して助力する義務があります。

そのため、企業は労災の手続きについてよく理解しておき、万が一労災が発生した場合には、迅速かつ適切な対応ができるようにしておくことが重要です。

 

では実際に、どのような手続きの流れになるのか解説していきます。

まずは、どのような状況において怪我が発生したのかの事実関係を確認する必要があります。

なぜなら、仕事中や通勤中であれば、どんな状況でも労災に認定される訳ではないからです。

そして、仕事中であれば「業務災害」、通勤中であれば「通勤災害」と2種類に分類されます。

 

最初に「業務災害」について見ていきましょう!

労災かどうかを判断する基準としては、以下の2点が重要なポイントとなります。


① 業務遂行性
⇒ 負傷や死亡等が、業務中に発生したものであることをいいます。
※ 業務中とは、労働者が労働契約に基づいて事業主の支配・管理下にある状態のことをいいます。

 

② 業務起因性
⇒ 負傷や死亡等が、業務が原因となって発生したものであることをいいます。


 

新人人事部 S郎
新人人事部 S郎
 
なるほどー、業務時間中なら全てが労災になるわけではないんですねぇ。

 

 
その通りです!
例えばわざと起こした事故や
私的な恨みによって受けた
被害は労災にはなりません。
社労士 福田
社労士 福田

 

「業務遂行性」と「業務起因性」については、用語の解説だけでは判断が難しいかと思いますので、いくつか事例を挙げてみたいと思います。


■ 労災となる場合
・荷物の積み下ろしの際に起こった腰痛
・業務中にトイレに行く途中に転倒
・同僚や上司から受けた暴行
・会社施設の老朽化で起きた事故
悪天候の中、屋外作業時に自然災害により負傷
・出張中のホテルで怪我

 

■ 労災とならない場合
・休憩時間中に運動していて負った怪我
・休憩時間中に外出先で転倒
・業務中に個人的な恨みを持たれていた者から受けた負傷
・自由参加の野球大会中に負った怪我
・出張先で飲みに行った際に転倒


※ 出張は通勤災害ではなく業務災害として扱われます。ホテル内は出張業務に必要な施設であるため業務起因性が認められますが、飲みに行く行為は私的行為のため業務起因性が認められません。

 

続いて「通勤災害」について見てきましょう!

労災となるかどうかは、業務上必要とされる移動が「合理的な経路・方法」であったかが判断基準となり、以下のいずれかの移動に該当するが重要なポイントとなります。


① 住居と就業場所の往復

② 就業場所から他の就業の場所への移動

③ 単身赴任先住居と帰省先住居の移動


 

そして、上記のような移動であったとしても、帰宅中の外食や映画館への立ち寄りなど、業務と関係性のない行為によって生じた災害は、通勤災害として認められません。

ただし、日常生活上必要な行為であって、以下のような行為をやむを得ず最小限度で行う場合には、通勤災害として認められる可能性があります。


・日用品の購入を目的としたやむを得ない寄り道
・介護・保育施設への送迎
・公衆トイレの利用
・病院の受診
・選挙投票


 

では、こちらも「業務災害」と同様に、分かりやすくいくつか事例を挙げてみたいと思います。


■ 労災となる場合
・家の玄関先の段差での転倒
・要介護状態の親の介護のため、実家に立ち寄ったあとに帰宅途中で怪我
・帰宅途中にひったくりに遭い負った負傷
・通勤中に工事中の建物からの落下物による怪我

 

■ 労災とならない場合
・帰宅途中の店舗内での怪我
・就業後に通勤経路にある映画館で映画鑑賞をした後、帰宅途中に負った負傷
・就業後に社内で長時間にわたる飲み会を行った後、帰宅途中に転倒
・会社の運動部の練習に参加するため、始業時刻より大幅に早く出勤している途中に怪我


 

新人人事部 S郎
新人人事部 S郎
 
たくさん事例を挙げて
いただいたので、とてもよく理解できましたー!

 

 
労災の判断はなかなか
難しいですからね!
理解いただけて嬉しいです!
社労士 福田
社労士 福田

 

ここから具体的な労災の補償の種類と手続きのお話に移る予定でしたが、この先は長くなっていまいますので、続きは明日お話したいと思います。

 

スタッフ M子
スタッフ M子
 
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