こんにちは!
福田社会保険労務士事務所、代表の福田です!
本日も昨日に続き、ハラスメント講座の第2弾をお届けしたいと思います。
昨日の予告通り、本日は最近注目されている「パワハラ」についてお話させていただきます。
このように、どこまでが「パワハラ」に該当するのか、線引きが非常に難しいという方が多くいらっしゃいます。
まずは、「パワハラ」の定義について見ていきましょう。
「パワハラ」はこちらの「パワハラ6類型」に分けられると言われています。
① 身体的な攻撃
⇒ 暴行等により、傷害を負わせるような行為
② 精神的な攻撃
⇒ 脅迫、名誉棄損、侮辱、暴言など
③ 人間関係からの切り離し
⇒ 仲間外し、無視、隔離など
④ 過大な要求
⇒ 業務上明らかに不要なことや、遂行不可能なことの強制など
⑤ 過小な要求
⇒ 業務上の合理性なくして、能力や経験とかけ離れたレベルの低い業務を命じること
仕事を与えないことなど
⑥ 個の侵害
⇒ プライベートなことに過度に立ち入ること
また、法律においては、このように定義されています。
「職場において行われる、優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、その雇用する労働者の就業環境が害されること」
こちらの定義を具体的な場面に当てはめてみると、
「上司や先輩など業務を指示したり教えたりする立場の人が、業務に必要な範囲を超えて指導などをすることにより、その部下にあたる人が働きづらくなる」
といったような場合になります。
大将のN助さんが言われているように、厳しく指導したからパワハラということではありません。
では、どのような言動がパワハラになるのでしょうか?
その判断の分かれ目は「人格」と「平均的な労働者の感じ方」にあります。
まず「人格」ですが、業務の指導を超えて、人格の否定や攻撃に至った場合は、パワハラとなります。
例えば、こちらのような場合です。
お前は頭が悪いから辞めた方がいいんじゃないか?
そこまで言われたくないよなぁ。。)
このような場合は、業務に関する指導を超えて、「頭が悪い」とか「辞めろ」という発言により、Bさんの人格を否定してしまっていますね。
続いて「平均的な労働者の感じ方」についてです。
こちらは少し判断が難しいかもしれませんが、「一般的にそういわれたらみんながパワハラと感じるか」というのが判断基準となります。
ただ、こちらについては、例えば上司と部下の関係性や、部下の性格など様々な事情も考慮することが必要です。
例えばこちらのような場合、皆さんならどう思われますか?
オメーは毎晩飲み過ぎなんだよー!!
次から気を付けますんで!
大将のN助さんの口調は粗いですが、お二人の普段の関係性が感じ取れます。
もちろん100%パワハラではないと言えませんが、恐らく見習いのS平さんもあまり気にしてないのではないでしょうか?!
昨日もお話しましたが、ハラスメントは加害者も被害者も、そして会社も、関わる全ての人達が辛い思いをすることになります。
「うちの会社は大丈夫!」
なんて思っていると、思わぬところから問題が発覚するなんてこともあります。
まずは、昨日お話したハラスメント対策の実施を検討されてみてはいかがでしょうか?